丈の低い宿根草のグランドカバー
ほふく性の植物ではないのですが、丈が低く丈夫でよく増える宿根草もグランドカバーとして使われます。
主にシェードガーデンでよく利用され、葉の色が美しいものや小さいけれどお花も楽しめる植物が多いです。
これらの植物は踏んで歩く場所には適さないので、樹木や他の植物の間を埋めるように植えるのに適しています。
半日陰から日陰向きのグランドカバー
ヤブラン・リュウノヒゲの仲間
斑入りヤブラン(リリオペ)
ヤブランやリュウノヒゲ(ジャノヒゲ)の仲間はいろいろあますが、どれも丈夫で耐寒性・耐暑性にもすぐれ、日向から日陰まで植えることができます。
葉の色が美しい分、真夏の直射日光にはちょっと弱く、葉焼けしてしまうことがあるので、半日陰ぐらいがちょうどよいようです。
手入れも特に不要で、ヤブランは年々株が大きくなり、リュウノヒゲの仲間は地下茎で横に広がっていきます。
リュウノヒゲの仲間には玉龍(タマリュウ)、白竜(ハクリュウ)、黒龍(コクリュウ)などがあります。
ユキノシタの仲間
ユキノシタ
白い筋の入った丸い葉がかわいい植物で、耐寒性の常緑多年草です。
耐暑性もすぐれていますが、直射日光と乾燥に弱いので、できるだけ半日陰から日陰に植えたほうがよいです。
基本的にとても丈夫でとくに手入れは不要です。赤茶色の細いランナーを伸ばして広がっていきます。
初夏に白い小さなお花も咲かせてくれます。
同じユキノシタ科の仲間でヒマラヤユキノシタという植物がありますが、こちらは草丈も40cm前後になり比較的大型の宿根草です。
花も大きく見ごたえがありますが、同じく日陰気味の環境を好み、シェードガーデンに人気があります。
シダ類
ニシキシダ
和風の庭などで昔から日本で親しまれているシダの仲間たちですが、イングリッシュガーデンでも人気があるようですね。
様々な葉の形や色、大きさもいろいろあり、シェードガーデンでは欠かせないカラーリーフです。
庭植えにしてしまえば手入れも特に不要で、育てやすい植物です。
フッキソウ
フッキソウ
フッキソウは本来ツゲ科の低木ですが、常緑で宿根草のように扱われるためこちらに入れました。
公園などで、木陰のグランドカバーとしてよく見かける丈夫な植物です。
葉の色はシンプルなグリーンと、バリエガータと呼ばれる斑入りの2種類しかありませんが、日陰でもOKなのでとても重宝しています。
特に斑入り葉のフッキソウは、日陰の足元を明るくしてくれるのでおすすめです。
横に根を伸ばして広がりますが、増え方はそれほど速くはありません。特に斑入り葉はなかなか増えないです。
日向から半日陰に適したグランドカバー
ワイルドストロベリー
ワイルドストロベリー
バラ科のハーブで、丈夫な耐寒性多年草です。
耐暑性にもすぐれ、乾燥にも強く日向のグランドカバーとしてとても重宝しています。
また耐陰性もあり、半日陰から明るい日陰まで植えることができる優れものなんです。
さわやかなグリーンの葉が美しく、ワイルドストロベリーというだけあって、赤い小さなイチゴも収穫できます。
ほとんど手入れは必要ありませんが、霜が当たると葉がいたんで枯れることがあるので、春の芽吹きの前に枯葉を取り除いてあげるとキレイです。
植えっぱなしにしているとこぼれ種で少しずつ増えていきます。ある程度の大きさになったら株分けもできます。
ベロニカ・オックスフォードブルーとミッフィーブルート
ベロニカ・オックスフォードブルー
ベロニカ・オックスフォードブルーとミッフィーブルートはどちらも丈が低くブルーの小花を咲かせる耐寒性多年草です。
耐暑性にもすぐれ、地植えにして根付けば乾燥にも強く日向から半日陰まで大丈夫です。
どちらも草丈が15cm前後で、ふんわりとカーペット状に広がっていきます。
オックスフォードブルーは葉色が銅葉に近く花色も濃いブルーですが、ミッフィーブルートはグリーンの葉にクリーム色の斑入りで花は水色です。
ベロニカ・ミッフィーブルート
花付きはオックスフォードの方がびっしり付くのに対して、ミッフィーはまばらな感じ。冬はどちらも葉が紅葉して濃い色になります。
わが家では両方植えていますが、ミッフィーの方が繁殖力が旺盛です。
またミッフィーですが、しばらく経つと葉の色がただのグリーンに変わってしまうという現象がおきるようです。
ネットで調べてみると"先祖返り"して斑がなくなるというコメントをよく見ます。
ちなみにわが家でも地植えしてから2年ぐらいすると次第に斑入りの葉が減り、現在では全てグリーンに変わってしまいました。
カンパニュラ・アルペンブルー
カンパニュラ・アルペンブルー
アルペンブルーはカンパニュラ・ポシャルスキアナに属す丈夫な耐寒性多年草です。
草丈は15cm前後でこんもりと横に広がるのでロックガーデンやハンギングに向いています。
日当たりと水はけのよい場所を好みますが、夏の暑さが苦手なので西日の当たらない場所や木陰などの半日陰になる場所が適しています。
わが家では午前中の早い時間だけ日が当たる場所に10年以上植えっぱなしにしていますがとても元気でこぼれ種でも増えています。
日向に適したグランドカバー
ハツユキカズラ
ハツユキカズラ
常緑のつる性多年草です。
耐寒性・耐暑性とも強く、夏の乾燥にも強いです。
新しい葉が、ピンク、白、グリーンへと変化するため、グラデーションがとても美しい植物です。
つる性なので、つかまるものがあると上に登っていきやすいのですが、刈り込んでグランドカバーに使うこともできます。
ハツユキカズラは日当たりが悪いとこの美しい色が出ないので、できるだけ日向に植えましょう。
また新芽が白やピンクに発色するため、定期的に刈り込む必要があります。